車両保険は雹(ひょう)災害も対象に。補償内容や等級などを解説
雹(ひょう)で車がボコボコ。エクボ傷がつく
日本でも特大の雹(ひょう)が降ることがあります。
これは2012年5月、茨城県に雹(ひょう)が降ったときの映像です。ピンポン玉のように大きかったため、車にエクボができてボコボコになった人もいます。
動画では、雹(ひょう)の大きさは3cmと出ていましたから、かなりの大きさです。下記のようにコメントも残しています。
おかげで自分の車も1台は15箇所、1台は30箇所ほどのエクボができてしまいました。
雹(ひょう)とは、積乱雲から降ってくる直径が5mm以上の氷の塊のことを言います。5mm未満の場合は霰(あられ)というようにして区別されています。
直径が5cm以上もあるような雹(ひょう)が降ることもあります。その場合は落下速度が100km/hを越えるので、自動車のボンネットや窓ガラスに当たった際には、大きな被害となります。人に当たればケガをするだけではなく、死亡することも珍しくありません。
雹(ひょう)による被害に備えて車両保険に加入する
台風、ゲリラ豪雨などの自然災害は近年、増加傾向にあります。日本でも雹(ひょう)被害に遭う可能性が十分にあります。
自然災害によって自動車が傷ついた場合、その損害を補償するのは車両保険だけです。保険料を安くするために、車両保険に加入しない人もいますが、自然災害による損害を考えて加入しておく方が良さそうです。
雹(ひょう)被害は車両保険で補償
- 雹が降ってきて、車の窓ガラスが割れてしまった
- 雹が当たって、ボンネットがへこんだ
- 降雹でバンパーが壊れてしまった
上記のような雹(ひょう)による損害があった場合、車両保険で補償することができます。
車両保険とは|エコノミー型や一般型など。車両保険の補償内容について
車両保険には、「一般タイプ」と「エコノミータイプ」がありますが、どちらも補償の対象としている保険会社がほとんどです。「エコノミータイプ」は、保険会社によって「車対車+A」「車両危険限定特約」と呼ぶ場合があります。
雹(ひょう)以外にも、大雨や台風、大雪などの自然災害は車両保険が使えます。しかし、地震や津波、噴火といった場合は補償対象としていないのが一般的です。補償を受けるためには、特約に加入する必要があります。
地震・噴火・津波「車両全損時一時金」特約は必要?【自動車保険】補償内容が知りたい
補償額は限度額や免責によって異なる
雹(ひょう)被害の場合、車のパーツを丸ごと交換して修理することもあります。修理費用が高額になりやすいです。
車両保険に加入していれば、車両保険の金額を上限として、免責金額(自己負担額)を差し引いた金額が支払われます。ただし、保険金額を超えた場合は全損扱いとなるので、免責金額は差し引かれません。
実際にどのように支払われるのでしょうか。前提条件を、車両保険:200万円、免責金額:20万円とした場合、車両保険金は次のようになります。。
車両保険で設定されている保険金額を超えないため、全損扱いになりません。免責金額20万円を引いた70万円が車両保険金として支払われます。
車両保険で設定されている保険金額を超えるため、全損扱いとなります。免責金額は差し引かれずに、車両保険金として200万円全額が支払われます。
車両保険を使うと翌年のノンフリート等級が下がる
雹(ひょう)被害によって車両保険を使った場合、翌年のノンフリート等級が下がります。「飛来中または落下中の他物との衝突」によって被った損害となり、1等級ダウン事故として扱われます。
また、事故有係数適用期間が1年間加算されます。
事故あり係数適用期間とは|自動車保険の「事故あり等級」はいつまで続くのか?
被害があった場合、まず保険会社に相談。請求し忘れは時効になる場合も
雹(ひょう)被害といった自然災害によるヘコミや傷といった損害の場合、「保険金は支払われない」と思っている人もいるようです。
車両保険に加入していて支払いの対象となっていても、保険会社は「あなたの車の損害に対して、車両保険金をお支払できますよ」とわざわざ言ってきてはくれません。保険会社としては、保険金の支払いはできるだけ少なくしたいところです。
車に被害があった場合は、自分から保険会社に確認したり相談したりする必要があります。
仮に保険金請求を忘れたまま放置してしまった場合はどうなるのでしょうか。その場合は、3年経過した時点で、時効によって保険金を請求する権利が消滅します(保険法第九十五条(消滅時効))。
第九十五条 保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第六十三条又は第九十二条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、三年間行わないときは、時効によって消滅する。
保険金請求の消滅時効の起算日については、保険法に規定がありません。保険の種類などによって違いますから注意が必要です。また、被保険者の義務として、損害発生時には遅滞なく連絡することを約款で規定している保険会社がほとんどです。
雹(ひょう)などの自然災害による損害が発生した場合は、保険金請求のし忘れを防ぐためにも、すぐに連絡することが大切です。
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