「等級据え置き事故」が廃止されて、「1等級ダウン事故」に。その内容とは?

車両保険を使う前に確認したい 1等級ダウン事故

1等級ダウン事故とは


2012年10月に等級制度が改定され、「等級据え置き事故」が「1等級ダウン事故」として扱われることになりました。

以前は、飛び石で窓ガラスが破損して保険を使っても等級はダウンしませんでしたが、現在は、1等級下がります。

事故を起こして保険を使った人の負担を大きくすることで、事故を起こした人と事故を起こさなかった人の公平さを高めるのが狙いです。事故を起こす確率に応じた保険料となります。

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改定後の等級制度によって、事故の種類は「1等級ダウン事故」「3等級ダウン事故」「ノーカウント事故」という3つに分かれています。


1等級ダウン事故は、主に車両保険と関係してきます。車の修理で保険を使う前に、翌年の等級や保険料がどうなるのかをしっかりと確認しておきましょう。

1等級ダウン事故に該当する事故

1等級ダウン事故としては、次の事柄が原因となっている事故が該当します。

  • 火災、爆発
  • 盗難、騒擾(そうじょう)などによる暴力行為または破壊行為
  • 台風、竜巻、洪水、高潮
  • 落書、いたずら
  • 窓ガラス破損(飛び石、落下物など)
  • 飛来中または落下中の他物との衝突
  • 上記以外の偶然による事故

基本的には被保険者に非がないような事故が、1等級ダウン事故となります。

落書きといったケースも、以前は等級据え置き事故でしたが、現在は飛び石、雹(ひょう)被害と同じく1等級ダウンします。

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1等級ダウン事故で、保険を使うか使わないかを考える

等級据え置き事故が廃止されたことで、1等級ダウン事故となるケースについては、保険を使った方がいいのかどうかを考えなくてはいけません。

1等級のダウンでも、事故あり係数適用期間がありますから、翌年度の保険料に差が出ます。

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保険を使う場合と使わない場合でどの程度、翌年度の保険料に影響するのかを比較検討する必要があります。

無事故等級と事故有等級の割引率

それでは、実際に保険を使った場合と使わなかった場合では、どの程度、保険料に差が出るのでしょうか。

等級ダウン事故を起こすと、各等級の割増引率によって、一定期間「事故有係数」が適用されます。低い割引率が適用されるので、支払うべき保険料もその分高くなります。等級が同じでも、無事故の人よりも事故を起こした人の方が、支払うべき保険料が高くなります。

1等級ダウン事故の場合、事故1件につき事故有係数が適用される期間は1年となっています。

無事故等級と事故有等級について、7等級から15等級の割引率を参考までに見てみると、次のようになっています。

(%)
等級 7 8 9 10 11 12 13 14 15
無事故係数 -30 -40 -43 -45 -47 -48 -49 -50 -51
事故有係数 -20 -21 -22 -23 -25 -27 -29 -31 -33

7等級では10%の差ですが、8等級からは約20%も差があります。

仮に、毎年10万円の保険料を支払っていた場合は、2万円多く支払うことになります。

1等級ダウン事故の場合、翌年の保険料を考えると、自分で保険を使わずに支払った方が安くなる場合もあります。損害額(車の修理代)が小さい場合は、

  • 車の修理代
  • 保険を使わなかった場合の翌年の保険料
  • 保険を使った場合の翌年の保険料

上記の金額を比較検討して、保険を使う使わないを決めるのが賢明です。使った場合と使わなかった場合の保険料は、保険会社に問い合わせると教えてもらえます。保険料を聞くだけなら、等級には影響しません。

「当て逃げ」は1等級ダウン事故ではないので注意

当て逃げ」は1等級ダウン事故ではなく、3等級ダウン事故となります。自分に非がない事故ですから、「1等級ダウンになるのでは?」と思いがちですが、3等級下がってしまいます。

3等級ダウン事故の場合、事故有係数適用期間は3年です。

当て逃げで保険を使う際には、注意したいところです。


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