任意保険|台風、大雨、洪水などによる水没から車を守る「車両保険」を解説
大型台風や大雨などが多発する季節になると、心配になってくるのが車です。
「道路が冠水して車がダメージを受けてしまい、エンジンがかからない」「どこからか飛んできた看板が当たって、フロントガラスにヒビが入ってしまった」というような損害を受けることがあります。
車に傷がついたり、車が水没してしまったりすると、その損害を補償してくれるのは車両保険だけです。近年は、台風の連続発生やゲリラ豪雨など、自然災害が増えてきています。万が一に備えて一度、自分が加入している自動車保険の補償内容を見直しておきたいものです。
台風、ゲリラ豪雨、洪水など、水没による損害は車両保険で補償
台風や大雨といった自然災害が原因で車が水没してしまった場合、車両保険で損害が補償されます。しかし、車両保険に入っていない場合は、すべて自己負担となります。
車両保険の加入率を見ると、約43%となっており、半数以上の人が車両保険に入っていないことがわかります。
車両保険に加入しないことで保険料を安くすることができますが、近くに河川があったり、駐車している場所が半地下だったりする場合は、水害リスクが高いと言えますから、車両保険を付けておく方が良いでしょう。
車両保険を付けておくと、故意や重大な過失ではない限り、保険金を受け取ることができます。
自腹で修理できない場合は、車なしの生活も覚悟しなければなりません。車両保険を付ける付けないといった選択を、慎重に行う必要があります。
車両保険の種類|水没で補償されないタイプもある
一般的に車両保険は、次の2種類がよく知られています。
- 一般型車両保険
- 車対車+A(車対車+限定危険、エコノミー型)
「一般型車両保険」と「車対車+A」を比較すると、「一般型車両保険」の方が補償範囲が広いです。
「車対車+A」は、「一般型車両保険」よりも補償範囲が狭いのですが、その分保険料は安くなります。水没した場合は、「一般型車両保険」と「車対車+A」のどちらでも補償されます。
しかし、保険会社によっては、「車対車+A」よりもさらに限定的に補償する「車対車+A 盗難対象外」や「車対車+A 水災対象外」「車との衝突のみ」などを扱っているところもあります。保険料をかなり抑えることが可能ですが、「車対車+A 水災対象外」「車との衝突のみ」といったタイプの車両保険を付けていると、水没した場合、補償されないので注意が必要です。
水没で等級ダウンするのか
自動車保険は1年間無事故だった場合、等級が1つ進みます。等級が進めば保険料の割引率も良くなります。しかし、災害や事故などで保険を使うと、一部例外はありますが、等級が下がり割引率は悪くなってしまいます。
翌年は事故あり等級の割引率が適用されるので、保険料が高くなります。
事故あり係数適用期間とは|自動車保険の「事故あり等級」はいつまで続くのか?
3等級ダウン事故だと、翌年以降3年間の保険料が高くなるので、車両保険を使うべきかどうか悩むところですが、水没被害であれば1等級ダウン事故なので、他の事故を起こした場合よりも、保険金を請求しやすくなっています。
車両保険は台風、大雨、洪水以外の自然災害も補償する
台風、大雨、洪水といった自然災害で車に損害があった場合、車両保険から保険金を受け取ることができますが、他にも保険金支払い対象となっている自然災害があります。
竜巻、高潮、雹、大雪などの自然災害も、補償対象となっています。車両保険を使った場合は、水没被害と同じく1等級ダウン事故として扱われます。しかし、地震・噴火・津波は、多くの保険会社で補償対象外となっています。
地震・噴火・津波での損害補償を受けたい場合は、「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」をオプションとして付帯しなければなりません(※名称は保険会社により異なります)。地震・噴火・津波は被害が大きく予測が難しいこともあり、オプションとして取り扱っている保険会社が限られています。
水没で車両保険から支払われる保険金について
水没した場合、エンジンまで水が浸透すると修理不可能となります。また、修理代が水没した車両の買い替え金額を超えることもあります。こういった場合は、買い替え費用相当額の保険金が支払われます。
水没しても修理が可能であり、車両を買い替えるほどの金額を要しない場合は、修理代相当額の保険金が支払われます。
いずれにせよ、車へのダメージを考えると車両の水没は避けたいところです。水没被害を防ぐために、豪雨の際には無理に運転をしないなど、損害の防止に努めることが大切です。
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