2台目からの任意保険|セカンドカー割引の等級や適用条件などを解説
2台目の車を買うというのは、地方に住んでいる人なら珍しくないですよね。電車やバスが1時間に1本しか来ない地域もありますから、車がないと生活していけません。
近所の本屋さんやコンビニに行くのも車となると、車は家に1台ではなく、一人に1台ということになります。家に2台、3台と車があるときは、車の維持費を抑えるためにも、セカンドカー割引を上手に利用していきたいものです。
セカンドカー割引(複数所有新規割引)とは
セカンドカー割引は、2台目以降の自動車保険の新規契約が安くなる割引で、複数所有新規割引とも呼ばれています。2台、3台、4台と車を複数所有するのであれば、知っておきたい割引制度のひとつとなっています。
2台目以降の車にセカンドカー割引を適用すると、7等級からスタートすることができます。通常、ノンフリート等級は6等級からのスタートですから、保険料の割引率の面で優遇されます。
実際にどのくらい優遇されるのかということについては、次の表をご覧ください。
等級 | 年齢条件 | 割増引率 |
6等級 | 全年齢補償 | +28% |
21歳以上補償 | +3% | |
26歳以上補償 | -9% | |
年齢条件対象外 | +4% | |
7等級 | 全年齢補償 | +11% |
21歳以上補償 | -11% | |
26歳以上補償 | -40% | |
年齢条件対象外 | -39% |
上記の割増引率表は、新規契約時に適用されるものです。全年齢補償を見ると、6等級では割増率28%、7等級では割増率11%となっています。例えば、基本保険料が10万円の場合、6等級では12万8000円、7等級では11万1000円となり、1等級違うだけで1万70000円も差が出ることになります。
21歳補償の場合は、6等級では割増率3%、7等級では割引率11%です。基本保険料が10万円なら、6等級では10万3000円、7等級では8万9000円となり、1等級違うだけで1万4000円も違ってきます。
自動車保険では年齢が若いと保険料がかなり高くなってしまいます。7等級からスタートするだけで、1万円以上も違ってきますから、保険料がかなり安くなると言えます。2台目の車からセカンドカー割引を積極的に利用していきましょう。
保険会社が異なる場合は特に、セカンドカー割引適用のし忘れがないようにしましょう。
セカンドカー割引が適用できる条件
セカンドカー割引が適用できる条件は、次のようになっています。
- セカンドカー割引を適用しようとする新契約に前契約がないこと
- 他の自動車の保険契約が11等級以上であり、且つ、その保険期間内に今回契約する自動車保険の「補償開始日」があること。
- 新契約の記名被保険者と車両所有者が個人であること(ローン等の関係で、車検証に記載されている車両所有者がクレジット会社等の場合、車検証上の使用者を所有者とみなします)。
- 新契約の記名被保険者と車両所有者が、本人・配偶者・同居の親族のいずれかであること
- 新契約および、他の保険契約の契約自動車が、自家用8車種の自動車であること。
- ※自家用8車種とは、次の自動車のことを言います。
自家用普通乗用車・自家用小型乗用車・自家用軽四輪乗用車・自家用小型貨物車・自家用軽四輪貨物車・自家用普通貨物車(最大積載量0.5t以下)・自家用普通貨物車(最大積載量0.5t超2t以下)・特種用途自動車(キャンピング車)
例えば、1台目の車の記名被保険者が父親で、2台目の車の記名被保険者が同じ家に住んでいる息子の場合、名義が異なりますが同居の親族ですから、セカンドカー割引の適用条件を満たしていることになります。
また、1台目の車の所有者がクレジット会社で車検証上の使用者が母親、2台目の車の所有者が父親というような場合も、名義が異なっていますが配偶者ですから、セカンドカー割引を適用することができます。
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【保険料を安くする方法】2台目以降の自動車保険は、セカンドカー割引を上手に活用
車が2台、3台と増えるにつれて、自動車保険の保険料もそれだけ増えることになります。車の維持費を考える上で、保険料の見直しや割引を活用することが大切です。
家に車が2台以上ある場合、セカンドカー割引以外にも、保険料を安くする方法がいくつかあります。知っておいて損はない保険料の節約方法ですから、利用できるものがあれば、どんどん活用していきましょう。
家族間の等級引継ぎと車両入替を利用する
自動車保険の等級を家族間で引継いだり、車両の入替ができたりするのをご存知でしょうか。上手に利用することで、保険料がかなり安くなる可能性があります。
家族間で等級を引継ぎたい【自動車保険】親子で等級を引き継ぐには?
例えば、同居の子供が新たに車を購入する場合、すでに所有している等級が進行した父親の車(割引率が高い)と車両入替及び等級の引継ぎをすることで、家族が負担するトータルの自動車保険料が安くなったりします。年齢が若い新規契約者の場合、特に効果的です。
新たに購入する車の料率クラスや契約条件によって、保険料がどれだけ安くなるのかは違ってきます。しかし、保険料がかなりお得になる場合があるので、セカンドカー割引との併用を検討してみるといいでしょう。
車両料率クラスとは?【自動車保険の保険料】車によってかなり違います
手続きは比較的簡単ですから、保険会社と相談しながら進めていくとスムーズです。
ノンフリート多数割引を活用する
セカンドカー割引と併用できる、ノンフリート多数割引というものがあります。これは2台以上の車をまとめて契約することで保険料が安くなるというものです。保険料を分割払いにしても分割割増がないので、保険料の負担を軽くすることができます。
例えば、あいおいニッセイ同和損保の場合、ノンフリート多数割引を利用すると、2台で3%、3~5台で4%、6台以上で5%の割引となります。
また、保険期間を統一する際、すでに加入している自動車保険を解約すると、等級の進行や事故あり係数適用期間の減少が遅れるなどのデメリットが生じることもあります。このような点も踏まえた上で、自動車保険の見直しをしていくとよいでしょう。
補償の重複を見直してさらに安くする
2台以上の車を所有している場合、それぞれで自動車保険を契約すると、補償範囲が重複することがあります。保険や特約によっては、1台の車に付帯させるだけでよいものもあります。
複数の保険契約で同じ事故を補償する状態になっていないかどうか、自動車保険を見直すことで保険料が安くなります。
- 弁護士費用特約
- ファミリーバイク特約
- 人身傷害補償保険(特約)
- 個人賠償責任補償特約 など
上記の保険や特約は、2台以上の車を所有すると補償範囲が重複することがあるので、注意が必要です。
例えば、人身傷害補償保険の場合、所有するすべての車で「車内と車外を補償するタイプ」を選択していると、車外の事故については補償範囲が重複することになります。
この場合、等級が一番高い自動車保険の契約を「車内と車外を補償するタイプ」にし、他の2台目以降の契約は「車内のみを補償するタイプ」を選択します。そうすることで、補償の重複がなくなり、保険料を節約することができます。
また、同居していた家族が別居するという際にも、補償がなくなることがあるので注意が必要です。
自分や家族に最適な自動車保険にするために
2台目、3台目・・・と車を購入する際は、セカンドカー割引を忘れずに適用していきましょう。所有している車の契約を総合的に見直すことで、保険料が結果的に安くなっていきます。
誰を補償するのか、どういう事故で補償されるのか。補償範囲をしっかりと理解した上で見積もりを取って、保険料を比較していきましょう。
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