任意保険のファミリーバイク特約とは。補償範囲や保険料などを解説

ファミリーバイク特約とは

ファミリーバイク特約


ファミリーバイク特約とは、自動車保険に加入していれば、自分や家族が125cc以下のバイクを使って事故を起こした際、その事故によって生じた損害賠償やケガなどを補償してくれるというものです。

通勤や通学などで、原付(原動機付自転車)をよく使っている人もいます。自動車保険の「ファミリーバイク特約」に加入することで、転倒などの事故に備えることができます。

補償の対象となるバイク

125cc以下の二輪車、50cc以下の三輪以上の車の場合
補償の対象となります。

250ccの二輪車の場合
補償対象外です。


ファミリーバイク特約はタイトルにもある通り、125cc以下の原付バイクを補償するものですから、中型バイク(250cc)の事故は補償しません。中型バイクの場合は、バイク保険に加入することになります。

ファミリーバイク特約で補償の対象となるバイクは、「補償の対象となる人が所有、使用、管理する原動機付き自転車」となっています。125cc以下のバイクであれば、他人から借りたバイクの事故も補償してくれます。

補償の対象となる人

補償の対象となる人は、記名被保険者とその家族です。家族の範囲は、次のようになっています。

  • 記名被保険者の配偶者(内縁を含む)
  • 記名被保険者、または、その配偶者の同居の親族
  • 記名被保険者、または、その配偶者の別居の未婚の子(婚姻歴がある場合を除く)

「運転者限定」や「年齢条件」をつけていても、記名被保険者とその家族が補償の対象となります。

自動車保険の保険料を安くするために、運転者を本人に限定したり、「30歳以上補償特約」などを付けたりする場合が多いですが、ファミリーバイク特約の場合は、運転者の条件を広くするというような変更をせずとも、自分と家族が補償の対象となります。

補償金額はいくらなのか

基本的に、相手方のケガや物を補償する対人賠償や対物賠償については、契約している自動車保険の内容で補償されます。対人賠償や対物賠償を無制限で設定している場合は、無制限となります。

ファミリーバイク特約を使った場合、等級はどうなるのか

ファミリーバイク特約を使った場合、等級が下がるのでしょうか。

ファミリーバイク特約の保険金だけが支払われる事故は、「ノーカウント事故」となります。事故の件数としてカウントされないので等級は下がらず、保険を使わなかった場合と同じように扱われます。

従って、等級に影響するような他の事故を起こさなかった場合は、翌年の等級が1つ上がります。

icon-arrow-circle-right ノンフリート等級別料率制度とは|自動車保険の保険料はどのようにして決まるのか?

ロードサービスは使えるのか

ロードサービスは、契約車両を対象としたサービスとなっています。ファミリーバイク特約に加入していても、バイクはサービスの対象となりません。

ファミリーバイク特約の「人身傷害型」と「自損傷害型」

ファミリーバイク特約には、人身傷害型自損傷害型の2つのタイプがあります。

基本的にどちらのタイプを選んでも、自分の原付バイク・物に対しての修理費用は補償対象外となっています。バイクの修理代は出ませんから、自分で支払うことになります。

ファミリーバイク特約の特徴は、「バイクを運転している人のケガに対する補償」の部分にあります。

相手方の補償 自分の補償
ケガ 物の修理費用

(車・バイク・電柱など)

ケガ 物の修理費用

(原付バイクなど)

人身傷害型 ×
自損傷害型 自損事故のみ補償 ×

自損傷害型では、自損事故や無保険車との事故の場合のみ、自分のケガを補償してくれます。自損事故保険の規定が適用されるのが一般的です。

人身傷害型では、人身傷害補償保険の規定が適用されるのが一般的です。


ファミリーバイク特約の人身傷害型に加入するためには、主契約である自動車保険で、人身傷害補償保険に加入している必要があります。人身傷害補償保険は、実際の損害額を補償してくれる保険ですから、自分のケガも補償してくれます。

つまり、自損傷害型を選ぶと、相手がいる事故の場合は、相手の保険から賠償されることになるので、過失割合によっては、自己負担が発生します。また、自損事故保険の補償金額は、自賠責保険よりもかなり低く設定されているので、補償内容は十分ではありません。

ケガをしたのに補償されない場合があるのでは意味がありませんから、ファミリーバイク特約では、人身傷害型を選ぶといいでしょう。

ファミリーバイク特約の保険料を比較

ファミリーバイク特約で人身傷害型を選ぶと、自損傷害型よりも保険料はどのくらい高くなるのでしょうか。今回、比較するためにソニー損保で実際に見積もりを取ってみました。

見積もりの条件としては、下記のようになっています。

見積もりの条件

■車種
車両: ホンダ オデッセイ(RC1)
初度登録年月: 2015年12月
ナンバー: 3ナンバー

■記名被保険者
記名被保険者:31歳男性
運転免許保有者:本人

■自動車保険の内容
等級: 15等級
事故有係数適用期間: 0年
使用目的: 主に家庭用
免許の色: ゴールド
運転者限定: 本人・配偶者に限定
契約距離区分: 9,000km以下
車両保険: 一般型 車両保険285万円(免責金額5-10)
対人賠償保険: 無制限
対物賠償保険: 無制限
人身傷害保険: 3,000万円(車内のみ補償型)
搭乗者傷害保険: なし
インターネット割引:あり
付帯した特約: ファミリーバイク特約

ホンダ オデッセイ(RC1)の自動車保険見積もり結果

ホンダ オデッセイ(RC1)のソニー損保での見積もり結果は、次の通りです。

  • ファミリーバイク特約無しの保険料: 51,520 円/年
  • ファミリーバイク特約自損傷害型の保険料: 59,780 円/年
  • ファミリーバイク特約人身傷害型の保険料: 74,250 円/年

人身傷害型と自損傷害型を比較すると、金額にして14,470円の差がありました。人身傷害型の方が補償内容が充実している分、保険料が高くなっています。

ファミリーバイク特約自体を付けない場合と人身傷害型を付けた場合を比較すると、金額としては22,730円の差がありました。バイク保険に新規で加入すると3万円はしますから、バイク保険に単体で加入するよりも安いと言えます。

しかし、ファミリーバイク特約には、バイク保険にあるような等級制度がありません。長く乗り続けるのであれば、無事故の年数に応じて安くなるバイク保険に加入する方がいい場合もあります。また、自動車保険をやめると特約もなくなるというデメリットもあります。

ファミリーバイク特約は、例えば、「バイク通学で利用する3年~4年間だけ」というような場合であれば、利用する価値があると言えるでしょう。保険料や将来的なことも考えて、保険を選びたいものです。


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