70代の任意保険の選び方|70歳以上の保険料相場や注意点などを解説

70代(70歳以上)の自動車保険の相場と選び方


70代になっても仕事や生活のために車が必要という方もいらっしゃいます。65歳から交通事故件数は上昇傾向にあるため、保険料は年齢を重ねるごとに高くなっていきます。

では、70代の自動車保険料はいくらなのでしょうか。実際に見積もりを取ってみました。70歳以上の保険料の相場や保険の選び方などについて解説していきます。

【70代の自動車保険相場】70歳以上の保険料はいくら?

実際に、三井ダイレクトと損保ジャパンで見積もりを取ってみました。見積もりの条件と結果は次の通りです。

見積もりの条件

■見積りした車の基本情報 / 車両 ※個別に設定 / 初度登録年月 2016年12月

■主に運転をする人(記名被保険者)の情報 / 記名被保険者 70歳男性 / 運転免許保有者 本人 / 主な使用地 岡山県岡山市 / 免許の色 ブルー / 運転者の範囲 家族限定 / 運転者年齢条件 35歳以上補償

■自動車保険の内容 / 等級 17等級(見積もり時は16等級) / 事故有係数適用期間 0年 / 使用目的 日常・レジャー / 予想年間走行距離 5,000km超10,000km以下 / 対人賠償保険 無制限 / 対物賠償保険 無制限 / 搭乗者傷害保険 なし / 人身傷害保険 3,000万円(搭乗中のみ補償タイプ) / 車両保険 ※車両ごとに設定 免責5万円-10万円 / 付帯した特約 弁護士費用特約 / 各種割引 新車割引、エコカー割引、インターネット割引、証券不発行割引


※損保ジャパンは、インターネット割引、証券不発行割引がありません。
※今回の見積もりで、エコカー割引の対象となる車両はトヨタ プリウスです。


見積もり結果
等級 車種 型式 保険会社 車両保険
金額
車両保険
一般型
車両保険
エコノミー
車両保険
なし
料率クラス
2017
17等級 ホンダ
N-BOX
JF1 三井ダイレクト 160万 56,110円  43,940円 31,280円
SBI損保  –  –
損保ジャパン 79,340円 61,090円  40,820円
トヨタ
プリウス
ZVW50 三井ダイレクト 250万 78,720円 54,980円 37,240円 車両料率クラス 5
対人料率クラス 4
対物料率クラス 5
傷害料率クラス 4
SBI損保  –
損保ジャパン 110,410円  78,410円  51,200円
日産
NOTE
E12 三井ダイレクト 200万  62,280円  45,880円 34,290円 車両料率クラス 3
対人料率クラス 4
対物料率クラス 4
傷害料率クラス 4
SBI損保  –
損保ジャパン  88,170円  66,220円 47,560円


※軽自動車は料率クラスがありません。
※SBI損保では記名被保険者が70歳以上の場合、Webサイトからのお申込みはできません。

自動車保険70代の平均相場

今回の見積もり結果について、三井ダイレクトと損保ジャパンの保険料の平均を出しました。70代の場合、自動車保険の平均価格がいくらになるのか。平均相場として、参考にしてみてください。

等級 車種 型式 保険会社 車両保険
金額
車両保険
一般型
車両保険
エコノミー
車両保険
なし
17等級 ホンダ
N-BOX
JF1 損保2社
平均
160万  45,150円 35,010円 24,033円
トヨタ
プリウス
ZVW50 250万 63,043円 44,463円  29,480円
日産
NOTE
E12 200万  50,150円  37,367円 27,283円

70代の任意保険|70歳以上の保険料は高くなる

70代の保険料は60代の頃に比べて高くなります。実際に三井ダイレクト損保で、20等級の場合の見積もりを取ってみました。年齢だけ変えて、他の条件は同じにしています。

○車両 プリウス / ○初度登録年月 2016年12月 / ○免許の色 ブルー / ○事故有係数適用期間 0年 / ○使用目的 日常・レジャー / ○予想年間走行距離 5,000km超10,000km以下 / ○車両保険 250万 免責5万円-10万円

補償範囲 年齢 年齢条件 等級 車種 車両保険
金額
車両保険
一般型
車両保険
エコノミー
車両保険
なし
本人限定 65歳 35歳以上補償 20等級 トヨタ
プリウス
250万 51,560円 35,860円 23,980円
70歳 54,480円 38,580円 25,830円


60代以降、保険料は徐々に上がります。車両保険の一般型の保険料を見ると、65歳と70歳では、2,920円の差が出ています。

保険料は事故リスクの高さで決まります。警視庁の交通事故発生状況のデータを見ると、70歳から交通事故発生件数が上昇しています。

免許保有者10万人当たりの交通事故件数
年齢層別 23年 24年 25年 26年
16~19歳 2,296.3 2,272.3 2,189.5 2,057.0
20~24歳 1,399.7 1,390.3 1,325.9 1,202.9
25~29歳 992.3 983.9 932.3 866.4
30~39歳 746.1 724.6 683.7 621.5
40~49歳 691.5 662.8 629.8 578.7
50~59歳 683.1 643.3 600.1 540.3
60~64歳 707.5 676.8 635.8 569.4
65~69歳 721.4 647.4 609.7 545.9
70~74歳 750.4 711.0 650.0 604.9
75歳以上 912.0 854.0 818.2 758.9



70代になると事故リスクが高い年代となるため、保険料もそれなりに高くなります。70代では、ゴールド免許割引20等級の割引率63%ノンフリート等級制度を参照)で保険料を安くしていくといいでしょう。安全運転が保険料を安くする上で大切です。

70代の任意保険の選び方

70歳以上になると、SBI損保のようにWeb申込みができない保険会社も出てきます。70歳、75歳といった節目ごとに、免許返納を考えてみるのもいいでしょう。免許返納の際には中断証明書を取得しておくことで、今まで上げてきたノンフリート等級を最長10年間保存することができます。

7等級以上の優良等級は同居の親族などに引継ぐことができます。保険料が高い10代や20代の若者は、中断証明書を利用することで保険料を安くすることができるというメリットがあります。

70代になっても、基本的には60代の自動車保険の選び方と考え方は同じです。免許返納についてなど、60代の自動車保険の記事も参考にしてみて下さい。

70歳以上の自動車保険では、1年ごとの自動車保険契約ではなく、例えば3年間の長期契約を検討してみるのもいいでしょう。車両保険といった保険を使っても、3年契約の場合、3年間は等級が下がらないので、保険料の上昇を抑えることができます。

しかしながら、これまで通り1年ごとの自動車保険契約にする場合、70代の自動車保険で気をつけたい点は次の3つです。

  • 車両保険
  • 人身傷害補償保険
  • ロードサービス

各項目について解説していきます。

車両保険を見直して70代保険料を安くする

車両保険【70代自動車保険】

自動車保険のことはよくわからないから、車両保険はそのままにしているということはありませんか?

車両保険とは当て逃げや盗難なども含めて自分の車に損害が発生した際、補償してくれる保険です(補償内容は車両保険のタイプにもよります)。できるだけ補償を充実させたいところですが、車両保険の保険料は高いです。自動車保険を安くしたいのであれば、車両保険の見直しをしていく必要があります。

車両保険の補償金額には、120万~200万というような一定の幅があります。自動車保険車両標準価格表というものがあり、それを基準にとして、各保険会社で設定しています。低い金額を設定すると保険料も安くなります。しかし、保険料を安くしたいがために安い補償金額に設定し、必要な補償を削ってしまうことになっては意味がありません。

「一番高い補償金額から考えて7割8割程度の補償金額であれば、補償もそれなりにあって、保険料も少し安くなるのでちょうど良いのではないか?」と考えて、金額設定する人もいるようです。しかし、実際のところ車両保険の補償金額を少し安く設定しても、高く設定しても、支払う保険料は数千円程度の差だったりすることもあります。

例えば、下記の車両保険の補償金額に注目した見積もり結果を見ると、次のようになっています(詳細はリンク先をご覧ください)。

icon-arrow-circle-right 日産ノートの見積もり結果(車両保険の金額で比較|そんぽ24の場合)

    車両保険一般タイプで車両保険の補償金額200万円の場合
    保険料58,650円

    車両保険一般タイプで車両保険の補償金額160万円の場合
    保険料57,620円

差額を計算すると次のようになります。

    車両保険の補償金額は、200万円-160万円=40万円の差

    支払う保険料は、58,650円-57,620円=1,030円の差

車両保険を付けるのであれば、補償金額を気にしても保険料はそんなに大きく変わらないことがわかります。車両保険を付けた時点で保険料は高くなってしまうので、補償金額の上限に近いところ(高い補償金額)で設定する方がよいでしょう。実際に見積もりを取って確認してみて下さい。

新車購入後3年以内であれば、車両保険の補償金額は高い方がいいです。しかし、3年を過ぎると、自動車の価値がどんどん下がっていきます。それに伴い、車両保険で補償される金額も少なくなっていきます。10年落ちの車両となると、補償金額は数十万円程度となります。

車両保険のコストパフォーマンスは年々下がるので、車両保険のタイプをエコノミー型にする人もいます。車両保険エコノミー型を選択した場合、当て逃げなどの補償はありませんが保険料は安くなります。また、車両保険自体を外すという選択をする人もいます。

保険料は高いのか安いのか。補償内容は十分なのか、そうではないのか。もしもの時には今の貯蓄額で、どのように対応していくのか。よく考えた上で判断していきたいものです。

車両保険の免責金額を設定して70代保険料を安くする

車両保険は免責金額を設定することで、保険料を安くすることができます。免責金額とは自己負担する金額のことです。

例えば、免責金額を「5-10」と設定していた場合、1回目の事故のときには5万円自己負担し、2回目の事故のときには10万円を自己負担するということになります。

事故(1回目)が発生して30万円の修理費用が発生した場合、1回目免責金額5万円が自己負担、保険会社からは25万円が保険金として支払われるということになります。

免責金額を「0-0(免責無し)」に設定するよりも、「5-10」「10-10」に設定することで支払う保険料が20%前後安くなったりします。10万円の保険料だった場合、2万円程度の節約となるのでおすすめです。割引率は保険会社によって異なります。気になる方は、見積もりを取って割引率を確認してみましょう。

車両保険を使うと等級がダウンするので翌年の保険料が上がります。保険料の値上がりを避けるために「少しくらいの修理費なら自腹で修理しよう」と考えているなら、ただ単に免責無しと設定するのではなく、免責金額を設定して、保険料を安くする方が賢明と言えます。

70代で人身傷害補償保険の内容を見直す

人身傷害補償保険【70代自動車保険】

車両保険が車のための補償なら、人身傷害補償保険は人のための補償です。事故によって自分や家族といった搭乗者が死傷した場合、補償してくれます。歩行中に事故に遭ったとしても補償してくれるのですが、補償が手厚い分、保険料も高額なものになってきます。

しかし、「搭乗中のみ補償特約」を活用することで保険料を節約することができます。搭乗中のみ補償特約とは、人身傷害補償保険の補償範囲を車に乗っているときの事故だけに限定するものです。道路を歩いているときや自転車に乗っているときの事故での補償は特に必要ないというのであれば、この特約の付帯を検討してみて下さい。

他にも搭乗者を補償する保険として「搭乗者傷害保険」というものがあります。

人身傷害補償保険は実際の損害額が保険金として支払われます。しかし、搭乗者傷害保険はケガの部位、症状、入院の日数によって、あらかじめ設定された保険金が支払われるというものですから、内容は異なっています。搭乗者傷害保険だけしか付けていない場合、実際の損害額が支払われるわけではないので、保険金が足りないということも起こります。

補償をしっかりとしたものにしつつ、保険料を抑えることを考えるのであれば、人身傷害補償保険に搭乗中のみ補償特約を付けるのが良いでしょう。

【70代の自動車保険】ロードサービスを充実させる

ロードサービス【70代自動車保険】

自動車保険に加入するとロードサービスが自動付帯されることがほとんどです。バッテリー上がりタイヤのパンクキーの閉じ込みなど、突然のトラブルが発生した場合、ロードサービスの内容が充実していると安心です。

任意保険のロードサービスを利用しても翌年の保険料が値上がりすることはありません。また、利用回数に制限もありませんから、何回でも利用可能なのはうれしいところです。しかし、無料で利用できる回数や無料となる距離に制限を設けていたりします。その内容は保険会社によって異なります。

例えば、各保険会社のレッカー移動距離ですが、修理工場まで無料でレッカー移動できる距離は30km~150kmというように、保険会社によってかなり開きがあります。距離ではなく、修理工場までのレッカー費用で上限を定めている保険会社もありますが、その場合も15万円~30万円(距離にすると200km~400km相当)と開きがあります。

他にも、レッカー移動となった場合の帰宅費用や宿泊費用をカバーしてくれたり、レンタカー(代車)サポートが利用できたりする保険会社もあります。

ロードサービスの拠点数も違いがあります。全国対応といっても、拠点数が1万を超えている保険会社もあれば、拠点数が5000ほどのところもあります。また、拠点数に関しては非公開としている保険会社もあります。同じロードサービスといっても、中身は色々です。どういうロードサービスを提供してくれるのか、自動車保険に加入する際には、その内容を確認しておきたいところです。

ロードサービスというと、JAFもあります。任意保険のロードサービスだけで十分と考える人もいれば、ロードサービスはJAFが良いと考える人もいます。どちらにもメリット、デメリットはあるわけですが、任意保険のロードサービスとJAFの両方に加入する場合は、さらにお得になる「JAF+保険」を知っておくとよいでしょう。

JAFと提携している保険会社があります。そのような保険会社を選ぶことで、一般のJAF会員よりも手厚い補償を受けることができます。

レッカーサービスの比較については、下記もご覧ください。

icon-arrow-circle-right 【レッカーサービス】JAFと任意保険のロードサービスのどちらにメリットがあるのか?

70代になってくると事故リスクが高くなります。加入したいと考えている自動車保険がいくつかある場合は、ロードサービスの内容も含めて比較検討していきましょう。

70歳以上になったら無理のない運転計画を

【70歳以上の自動車保険】補償はしっかりと

高齢者に多い交通事故の例として、ブレーキとアクセルを間違えて建物に突っ込んでしまう、というものがあります。

コンビニなどの建物に突っ込んでしまった場合の損害賠償額は、1億円を超えることもあります。70歳以上の保険料が高くなるからといって、補償を安易に削ったりするのはよくありません。対人賠償、対物賠償は無制限に設定する必要があります。必要な補償はしっかりと付けていきましょう。

2015年の日本人の平均寿命は、男性が80.79歳 、女性が87.05歳です。日本は世界的に見ても長寿国です。70代、80代でも車を運転している人はいますが、心にも体にも余裕があるうちに、ドライバーを引退することも含めて、無理のない運転計画を立てておきたいものです。


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