任意保険|ガードレールや電柱との衝突事故での対応や弁償金額などを解説

ガードレールや電柱に衝突する事故について

カーブを曲がりきれずにガードレールに衝突したり、飛び出してきた動物を避けようとして電柱にぶつかったりしてしまった場合、事故後どのように対応すればいいのでしょうか。

ガードレールや電柱の弁償代、愛車の修理費、搭乗者のケガに自動車保険は使えるのでしょうか。また、事故を起こした際の連絡対応や弁償金額など、気になるところです。

衝突事故を起こしたら警察へ報告する義務がある

ガードレールや電柱との衝突事故を起こした場合、ケガをしていなくても、その場で警察に110番連絡をする必要があります。

ガードレールや電柱との衝突事故は交通事故ですから、最寄りの警察へ報告する義務があります。道路交通法第七十二条第一項後段で、次のように規定されています。

(略)・・・警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

参照:道路交通法「第七十二条第一項」


警察への届け出をしなかった場合、「3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する」(道路交通法第百十九条)とあります。速やかに連絡をするようにしましょう。

警察に事故の届け出をすると、事故が起きたという事実を証明する事故証明書が発行されます。対人賠償保険や対物賠償保険など自動車保険を使う際には、この事故証明書が必要になりますが、大抵の場合は保険会社が取付けてくれます。

ガードレールや電柱の修理には対物賠償保険。修理費用はいくら?

ガードレールや電柱に衝突する事故は物損事故となります。対物賠償保険を使って損害賠償していきます。

ガードレールを壊した場合の修理費用は、ガードレールの種類や強度にもよりますが、5メートルで約5万円します。さらに人件費や工賃が必要になるので、7万円から8万円程度となります(あくまでも目安です)。ガードレールの損害が広範囲になれば、その分弁償しなければならない金額も上がっていきます。

電柱を壊した場合は、電柱が約7万円、設置費用として約30万円が必要とされています。しかし、停電してしまったり電柱に取り付けてある設備を壊したりした場合、賠償額はさらに大きくなっていきます。

愛車の修理には車両保険を使う

ガードレールや電柱にぶつかって愛車を修理しなくてはならなくなった場合は、車両保険を使うことになります。一般型の車両保険に加入していれば、保険金を受け取ることができます。

車両保険を使うと3等級ダウン事故となり、事故あり係数適用期間は3年となります。

icon-arrow-circle-right 3等級ダウン事故とは|保険料はいくら上がる?2回事故するとどうなるのか等、知っておきたい知識まとめ

icon-arrow-circle-right 事故あり係数適用期間とは|自動車保険の「事故あり等級」はいつまで続くのか?

エコノミータイプの車両保険には要注意

車両保険に加入していれば、車の修理代として保険金を受け取ることができるのですが、エコノミータイプといった補償限定型の車両保険を付けている場合は、保険金が支払われません。自腹で修理することになります。

icon-arrow-circle-right 車両保険とは|エコノミー型や一般型など。車両保険の補償内容について

保険料が安くなるので、エコノミータイプに加入しているという人が多いのですが、物損事故に備えて一般型の車両保険に加入しておく方が、なにかと安心ですね。

単独事故・自損事故で自分や搭乗者がケガをした場合はどうなる

相手がいない単独事故で、運転手である自分がケガをしたり搭乗者がケガをしたりした場合、自損事故保険や人身傷害補償保険といった保険を使うことになります。

同乗者が家族ではない場合は、対人賠償保険からも保険金が支払われます。誰がケガをしたのかによって、使う保険が違ってきます。詳細は下記の記事をご覧ください。

icon-arrow-circle-right 自損事故保険とは?単独事故の際、自動車保険ではどのように補償されるのか

交通事故総合分析センターによる自動車の工作物への衝突事故データを見ると、防護柵(ガードレールやフェンスなど)への衝突による死傷者数が多くなっています。しかし、電柱と防護柵の致死率を比較すると、防護柵の方が致死率は低くなっています。

衝突した工作物 死者数 重傷者数 軽傷者数 致死率
防護柵(ガードレールやフェンスなど) 133人 886人 4439人 2.4%
電柱(信号機や道路照明のポールを含む) 119人 649人 2560人 3.6%
※平成20年の交通事故データ


ガードレールといった防護柵は交通安全確保のため作られた工作物です。しかし、電柱は交通安全確保のための工作物ではありません。車が衝突した際には、その細長い形状によって車両のルーフが大きく変形してしまうほど、与えるダメージが大きいものとなっています。これが電柱の致死率を高めている要因だと考えられています。

工作物への衝突要因としては、運転操作の誤り46%、前方不注意31%、判断の誤り18%となっていて、運転操作の誤りが一番多いという特徴があります。

ガードレールや電柱といった工作物への衝突事故は車両同士の正面衝突と同じくらい致死率が高いです。道路から逸脱することがないように、気を引き締めて運転することが大切ですね。


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