ノンフリート等級のアルファベットの意味。6Sと6Fの違いなどを解説
ノンフリート等級に、なぜアルファベットが付いているのか
ノンフリート等級には、「6A、6B、6C、6E、6G、6D、6F、7A、7B、7C、7E、7G、7D、7F」というように、等級の後ろにアルファベットが付くことがあります。このアルファベットは、基本的に運転者の年齢を表しています。
ノンフリート等級制度は、契約者の過去の事故歴を見て、そのリスクを保険料に反映させることを目的としている制度です。無事故運転を続けながら年齢を重ねていけば、自動車保険の保険料もそれだけ安くなっていきます。
しかし、自動車保険の加入歴がまったくない初めての契約(純新規契約)だった場合、保険会社は契約者の事故リスクを判断することができません。
警視庁が発表している交通事故に関する調査結果では、若年運転者の交通事故率が高いということが明らかにされています。
昭和48年以降、交通事故発生件数の推移を見ても、16歳から24歳の交通事故が特に多いことがわかります。保険会社は運転者をリスクによって区分していますから、運転する人の年齢が若いほど保険料も割高になっていきます。
新規契約の場合も、年齢別の事故リスクを保険料に反映させる必要があります。そのため、新規契約時の等級を運転者の年齢で細かく区分することで、事故リスクに応じた保険料にしています。
アルファベットでノンフリート等級の割増引率が異なる
運転者の年齢区分 | 車種 | 6等級 | 7等級 | ||
等級 | 割増引率 | 等級 | 割増引率 | ||
年齢を問わず補償 | 自家用普通乗用車
自家用小型乗用車 自家用軽四輪乗用車 |
6A | +28% | 7A | +11% |
21歳以上補償 | 6B | +3% | 7B | -11% | |
26歳以上補償 | 6C | -9% | 7C | -40% | |
30歳以上補償 | 6E | 7E | |||
35歳以上補償 | 6G | 7G | |||
年齢を問わず補償 | 上記の車種以外 | 6D | +4% | 7D | -39% |
一般的に上記の表のように、年齢区分によってアルファベットが付けられ、割増引率が管理されています。保険会社によってアルファベットの付け方などに若干の違いがありますが、6等級と7等級以外の等級にはアルファベットは付きません。
また、6Dや7Dは、基本的に貨物車(自家用小型貨物、自家用軽四輪貨物など)といった年齢条件対象外の車種が該当します。しかし、最近はDというアルファベットによる区分をなくしている保険会社が増えています。貨物車でも年齢区分に応じた割増引率が適用されています。
7等級にもアルファベットが付く理由とは
アルファベットは新規契約時の等級に付くものです。新規契約時は6等級からスタートするのが基本です。しかし、7等級にも付くのはなぜでしょうか。
セカンドカー割引を適用すると、初めて自動車保険に加入した場合でも、7等級からスタートすることができるというのが、その理由です。26歳以上の保険料の割引率を見ると、まったくの新規での契約の場合は9%、2台目の契約だった場合は40%となっています。保険料が10万円だった場合、9%で9000円、40%で4万円となりますから、その差は大きいです。
2台目以降はセカンドカー割引を利用すると、トータルの保険料を節約することができますから、上手に利用したいものです。
2台目から自動車保険を安くする|セカンドカー割引の条件が知りたい
ノンフリート等級の6F、7Fの意味とは
6F、7Fは、継続契約者を意味します。継続契約者が6等級や7等級になるケースとしては、
- 5等級だった人が6等級になった
- 9等級だった人が、3等級ダウン事故を起こして6等級になった
- 8等級だった人が、1等級ダウン事故を起こして7等級になった など
があります。
ノンフリート等級の6S、7Sの意味。6Fと7Fとの違い
新規契約をまとめて「6S」としている保険会社もあります。6Sの場合は、保険会社側で年齢別の割増引率を管理しています。年齢別の区分けがされていないというわけではありません。
6Fと6S(7Fと7S)の違いは、次のようになっています。
- 6F(7F):前年の契約があった場合の6等級(7等級)
- 6S(7S):前年の契約がなかった場合の6等級(7等級)
例えば、新規契約で6S等級だった人が無事故運転を続けると、翌年には7F等級になります。
保険会社ごとの等級に付くアルファベットの違い
参考までに、保険会社によって等級に付くアルファベットにどのような違いがあるのかを見てみましょう。※2017年4月時点
【6等級、7等級のアルファベット表記】イーデザイン損保の場合
【6等級、7等級のアルファベット表記】三井ダイレクト損保の場合
【6等級、7等級のアルファベット表記】アクサダイレクトの場合
【6等級、7等級のアルファベット表記】損保ジャパンの場合
【6等級、7等級のアルファベット表記】ソニー損保の場合
イーデザイン損保、三井ダイレクト損保、アクサダイレクト、損保ジャパン、ソニー損保を取り上げてみましたが、新規契約時のアルファベットを見ると、アルファベットの組み合わせが同じだったり、少しだけ違ったりしているのがわかります。
自動車保険の乗り換え時の見積もりで、等級が選択肢にない場合
自動車保険の見直しで、他の保険会社への乗り換えを検討している場合、保険料を比較するために見積もりを取ることになります。その際、現在のノンフリート等級を伝える必要があります。
現在自分が加入している保険会社では、例えば等級が6Gだったものが、他の保険会社では6Gという区分がないために6Aになったりします。
新規契約時の等級は、年齢ごとにアルファベットで分けられているということを知っていれば、他の保険会社と表記に違いがあっても、スムーズに自分の現在の等級を他の保険会社のものに置き換えて伝えることができます。
自分で保険会社を指定して個別に見積もりを取る場合は、他の保険会社の等級がどのように区分けされているのかを確認しつつ、保険料を試算してみて下さい。
>>自分の保険料をちょっと確認してみる