薄暮時の自動車事故

何かと忙しくなってくるのが12月。年末は交通量が増え、交通事故件数も1年の中で一番多くなります。

警視庁交通局が発表した「平成30年上半期における交通死亡事故の特徴等について」という報道発表資料を見ると薄暮時の事故件数の多さに驚きます。

月別・時間帯別の時間当たり死亡事故件数(平成25年~平成29年)

月別・時間帯別の時間当たり死亡事故件数(平成25年~平成29年)のグラフを見ると、死亡事故件数は10月から12月にかけて多くなっています。12月と6月を比較すると12月の死亡事故件数は6月の2倍以上もあります。

また、時間帯で見てみると薄暮時間帯(日没後1時間)の死亡事故件数が最も多いことがわかります。12月は264件で6月は78件ですから12月は6月よりも3倍以上も増加しています。

昼間・薄暮時間帯別の時間当たりの当事者別死亡事故件数

「昼間・薄暮時間帯別の時間当たりの当事者別死亡事故件数」のグラフでは、薄暮時間帯は昼間に比べて、自動車対歩行者による事故の割合が高くなっています。自動車対歩行者による事故の時間当たりの発生件数は、薄暮時間帯になると昼間の約4倍となっています。

12月は一年で一番慌ただしい時期。薄暮時の運転には注意が必要

すでにお話した通り、死亡事故件数が最も多いのが12月の薄暮時(日没後1時間)です。なぜこんなにも事故が多いのでしょうか。

まず、年末年始には大きなイベントがあります。クリスマスとお正月です。この二つは約一週間ほどしか期間があいていません。新年を迎える前にいろいろな用事を片付けようとする人も、普段に比べると多くなります。

12月はクリスマスやイルミネーションのイベントが多く、夜に出歩く人も増えます。また、お歳暮を運ぶ宅配業者も忙しくなります。忘年会といった会社等々の行事もあります。

冬ですから日没が早まります。帰宅する頃には暗くなっています。視界が悪いので、事故に繋がりやすいです。また、気温が低いので道路が凍っていたり、雪が降ったりして滑りやすくなります。スリップ事故も増加していきます。

用事をたくさん済ませようと思って急いでしまうと運転も荒くなっていく・・・ということもあるかもしれません。道路が混雑する、気温が低くなる、日没が早いといった事故を起こしやすい要因が重なるため、12月の薄暮時は事故が多くなると考えられます。

薄暮時の自動車事故を防ぐための3つのポイント

薄暮時の自動車事故を防ぐために

薄暮時はいつも以上に気を付けて運転をしていきましょう。

早めにヘッドライトを点灯する。ヘッドライトはこまめに切り替える

日没後は急激に視野が悪くなります。歩行者や自転車も車の発見が遅れたりします。ヘッドライトを点灯していない車は見つけにくく、車に気付かずに道路を横断しようとする人も出てきたりします。ヘッドライトを日没前からつけておくことで、事故が起こりにくくなります。

またヘッドライトはこまめに切り替えていきましょう。ヘッドライトを上向きにすると、下向きにしているときよりも2倍以上遠くを見ることができます。いち早く歩行者や自転車を発見することができます。

横断歩道では歩行者が優先

横断しようとする歩行者がいる場合は、一時停止をして通行を妨げないようにしましょう。すぐに停止できるように、横断歩道では減速して進むことが道路交通法38条でも定められています。

左右両側の歩道にも注意する

薄暮時の死亡事故は自動車と道路を横断しようとする歩行者の事故が一番多いです。歩道、路側帯をよく見て運転するというよりも、ドライバーである自分が横断しそうな人はいないかどうか探す、というくらいの気持ちで運転することが大切です。

【事故リスクが高まる冬場】運転前の準備も大切

冬場のドライブは、事故リスクが高まります。慎重に運転をすることや事前の準備が大切です。

  • 急ブレーキ、急ハンドル、急発進はしない
  • ドライブ前の準備を怠らない
  • 早めに給油する
  • タイヤチェーンやスタッドレスタイヤといった冬装備を行う
  • トンネルや橋の上、日陰などでは、路面の凍結を考えてスピードを調節する

急ブレーキや急ハンドルはやめましょう。心にゆとりを持った運転ができるように、運転前の事前準備・点検も欠かせません。給油は十分かどうか、タイヤチェーンは装備しているか、見ておきたいものです。

【車がスリップしやすい冬場】単独事故を起こした場合の自動車保険とは?

スリップして電柱にぶつかるといった単独事故を起こしてしまうと、自賠責保険、対人賠償保険は使えません。自損事故保険人身傷害補償保険といった保険に加入しておく必要があります。

電柱やガードレールを壊してしまった場合、対物賠償保険を使います。自分の車が車両保険に入っている場合は補償されます。ここで注意したいのが、車両保険といっても種類があることです。エコノミータイプに入っていると、単独事故を起こしても補償されません。一般タイプの車両保険に加入しておくことが望ましいです。

icon-arrow-circle-right 車両保険とは|エコノミー型や一般型など。車両保険の補償内容について

icon-arrow-circle-right 【自動車保険】ガードレールと電柱にぶつかる事故を起こした。弁償金額や警察への連絡など

自分がどういう自動車保険に加入しているのか確認しておきましょう。わからない場合は保険会社に電話して確認するといいでしょう。

事故を起こしたら、保険ですべて解決すると安易に思ってしまうのはよくありません。日ごろから安全運転を心がけて、事故を起こさないようにしていきたいものですね。


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