20歳以下(10代)の任意保険選び|保険料が高い理由と安くする方法を解説

20歳以下の自動車保険料相場


18歳、19歳、20歳の人がはじめて自動車保険に入る場合、保険料は驚くほど高いです。20歳以下の保険料がなぜこんなにも上がるのかと、不思議に思うかもしれません。

しかし、10代の人や20歳になったばかりの人でも工夫すれば、自動車保険料を安くすることができます。「高い保険料を払って失敗した!」と思ってしまうことがないように、自動車保険の仕組みを知って、保険料を適切に節約していきましょう。

【20歳以下の保険相場】18歳・19歳・20歳の自動車保険料はいくら?

18歳、19歳、20歳といった20歳以下の場合、新規契約での自動車保険料は、いくらになるのでしょうか。

実際に損保3社(三井ダイレクト、SBI損保、損保ジャパン)で見積もりを取ってみました。見積もりの条件と結果は次の通りです。

見積もりの条件

■見積りした車の基本情報 / 車両: ※個別に設定 / 初度登録年月: 2016年12月

■主に運転をする人(記名被保険者)の情報 / 記名被保険者: 20歳以下(18歳、19歳、20歳)女性 / 運転免許保有者: 本人 / 主な使用地(都道府県): 千葉県 / 免許の色: ブルー / 運転者の範囲: 本人限定 / 運転者年齢条件: 全年齢補償

■自動車保険の内容 / 等級: 6等級 / 事故有係数適用期間: 0年 / 使用目的: 日常・レジャー / 予想年間走行距離: 5,000km超10,000km以下 / 対人賠償保険: 無制限 / 対物賠償保険: 無制限 / 搭乗者傷害保険: なし / 人身傷害保険: 3,000万円(搭乗中のみ補償タイプ) / 車両保険: ※車両ごとに設定 免責5万円-10万円 / 付帯した特約: 弁護士費用特約 / 割引: 新車割引、エコカー割引、インターネット割引、証券不発行割引


※損保ジャパンは、インターネット割引、証券不発行割引がありません。
※SBI損保は、自家用軽四輪乗用車の新車割引がありません。
※エコカー割引が適用されるのは、損保ジャパンと三井ダイレクトです。
※今回の見積もりで、エコカー割引の対象となる車両はプリウス、C-HRです。


見積もり結果
等級 車種 型式 保険会社 車両保険
金額
車両保険
一般型
車両保険
エコノミー
車両保険
なし
料率クラス
2017
6等級 ホンダ
N-BOX
JF1 三井ダイレクト 160万 225,920円 168,230円 105,540円
SBI損保 273,550円 202,350円 125,520円
損保ジャパン 318,140円 241,760円 156,940円
ダイハツ
タント
LA600S 三井ダイレクト 160万 225,920円 168,230円 105,540円
SBI損保 273,550円 202,350円 125,520円
損保ジャパン 318,140円 241,760円 156,940円
日産
デイズ
B21W 三井ダイレクト 160万 225,920円 168,230円 105,540円
SBI損保 273,550円 202,350円 125,520円
損保ジャパン 318,140円 241,760円 156,940円
トヨタ
プリウス
ZVW50 三井ダイレクト 250万 321,340円 216,960円 130,000円 車両料率クラス 5
対人料率クラス 4
対物料率クラス 5
傷害料率クラス 4
SBI損保 394,130円 263,840円 155,850円
損保ジャパン 466,920円 330,680円 214,860円
トヨタ
C-HR
ZYX10 三井ダイレクト 290万 313,100円 205,250円 115,400円 車両料率クラス 5
対人料率クラス 4
対物料率クラス 4
傷害料率クラス 4
SBI損保 385,250円 250,530円 138,880円
損保ジャパン 452,420円 311,630円 191,920円
日産
NOTE
E12 三井ダイレクト 200万 246,770円 176,210円 117,220円 車両料率クラス 3
対人料率クラス 4
対物料率クラス 4
傷害料率クラス 4
SBI損保 297,330円 210,690円 138,880円
損保ジャパン 370,610円 277,160円 197,720円


※軽自動車は料率クラスがないため、見積もり条件が同じ場合は、車種が異なっても同じ保険価格となります。

自動車保険20歳以下(全年齢補償)の平均相場

今回の見積もり結果について、損保3社(三井ダイレクト、SBI損保、損保ジャパン)の平均を出しました。18歳・19歳・20歳で選択することになる全年齢補償の場合、自動車保険の平均価格がいくらになるのか。平均相場として、参考にしてみてください。

等級 車種 型式 保険会社 車両保険
金額
車両保険
一般型
車両保険
エコノミー
車両保険
なし
6等級 ホンダ
N-BOX
JF1 損保3社
平均
160万 272,537円 204,113円 129,333円
ダイハツ
タント
LA600S 160万 272,537円 204,113円 129,333円
日産
デイズ
B21W 160万 272,537円 204,113円 129,333円
トヨタ
プリウス
ZVW50 250万 394,130円 270,493円 166,903円
トヨタ
C-HR
ZYX10 290万 383,590円 255,803円 148,733円
日産
NOTE
E12 200万 304,903円 221,353円 151,273円

20歳以下(10代)の自動車保険料が高い理由

実際に損保3社で見積もりを取った結果を見てみると、車両保険なしで10万円以上、車両保険を付けた場合は、20万~30万円というのが平均相場となります。どうしてこんなに保険料が高いのでしょうか。

まず、自動車保険に加入する際に選択する必要がある「年齢条件」が関係しています。車を運転する人の年齢範囲に応じて、通常は4区分(全年齢補償、21歳以上補償、26歳以上補償、30歳以上補償)の設定がされていて、その中からどれかひとつを選択することになります。

20歳以下の場合、保険料が最も高くなる「全年齢補償」を選択することになりますから、保険料が最も安くなる30歳以上補償と比較すると、その格差は約3倍にもなります。

また、「ノンフリート等級制度の割増引率」を見てみると、新規加入の6等級の場合、20歳以下は割引率ではなく割増率28%が適用されるようになっています(新規契約におけるノンフリート等級制度より)。

リスク細分型自動車保険では、事故リスクに応じて保険料が決まります。保険料の負担を公平にするために、事故を起こしやすい人の保険料は高く、事故を起こしにくい人の保険料は安くなるような仕組みです。

警察庁の統計を見ると、若い人の事故率がかなり高いということがわかります。グラフは、平成26年における免許保有者10万人当たりの交通事故件数です。

若年層の交通事故件数のグラフ

グラフを見ると、10代後半から20代前半にかけて、特に数値が高いことがわかります。一般的に若い年代は、20代後半や30代以降の人と比べると危ない運転をする人が多いです。また、免許を取ったばかりで運転に慣れていない人も多いですから、事故率の高さに比例して保険料も高くなってしまうというわけです。

20歳以下でも安全に運転する人はもちろんいます。事故を起こさないように気をつけて運転をしている20歳前後の人からすれば、納得がいかないところかもしれません。しかし、保険の仕組みがそのように決まっている以上は、保険料もそれなりに高くなるというのが現状です。

20歳以下(10代)の自動車保険料を安くする方法とは?

保険料が高いとはいえ、生活するために車が必要な20歳以下の方もいることでしょう。

20歳以下の人が自動車保険に加入する場合でも、万が一に備えて、補償はしっかりと付けておく必要があります。安くなるからといって、安易に補償を減らすのはよくありません。

18歳、19歳、20歳でも保険料を安くする方法がいくつかありますから、是非参考にしてみて下さい。

家族間で等級引継ぎをする

自動車保険の等級は家族間で引継ぐことができます。親の等級と子供の等級を入れ替えることで、家族全体で見たときの保険料がかなり安くなったりします。

例えば、親の等級が18等級の場合、等級引継ぎの条件をクリアすれば、20歳以下の子供でも18等級からスタートすることができます。保険料が高い6等級ではないので、かなり負担が軽くなります。

親の等級は6等級になってしまいますが、年齢が高いので、20歳以下の子供が6等級の場合よりも保険料が安くなります。家族間での等級引継ぎの詳細は下記の記事を参考にしてみて下さい。

icon-arrow-circle-right 家族間で等級を引継ぎたい【自動車保険】親子で等級を引き継ぐには?

家族に等級引継ぎができる人がいるなら、一度検討してみるといいでしょう。

また、家の車が2台以上になる場合は、セカンドカー割引を適用させると、6等級ではなく7等級からスタートすることができます。保険料をさらに抑えることが可能です。

icon-arrow-circle-right 2台目から自動車保険を安くする|セカンドカー割引の条件が知りたい

記名被保険者を考える、親の自動車保険に入る

自動車保険の保険料は、記名被保険者の事故リスクによって高くなったり安くなったりします。30代、40代は、20歳以下に比べて事故リスクが低いですから、親子で車を運転するという場合は、親を記名被保険者にすると保険料が安くなります。

親と子のどちらが記名被保険者になっても、年齢条件は運転することがある一番若い人の年齢に設定するので、「全年齢補償」を選択することになります。

40代の親の自動車保険に19歳の子供を加えた場合の保険料の見積もりも取っているので、実際に保険料がいくらになるのか気になる方は、下記の記事も参考にしてみて下さい。

icon-arrow-circle-right トヨタ プリウスの保険料はいくら?【損保4社で比較】車両保険って高いの?

運転者の範囲を限定した場合の保険料を載せています。記名被保険者(40代)の方が「本人・夫婦限定」を選択した場合と「家族限定(19歳の子供を含む)」を選択した場合の両方の保険料がご覧いただけます。

車両保険を見直して保険料を安くする

20歳以下の自動車保険料


すでにご紹介した20歳以下の自動車保険の見積もり結果を見てもわかるように、車両保険を付けると保険料がかなり高くなります。車両保険の保険金額を抑えることで、18歳でも保険料を安くすることができます。

車両保険を安くするポイントは次の3つです。

  • 車両保険の免責金額を考える
  • 車両保険をエコノミータイプにする
  • 車両料率クラスが低い車を選ぶ

免責金額、エコノミータイプ、車両料率クラスと言われてもよくわからないという方のために、各項目を順に見ていきます。

免責金額を考える

免責金額とは、自己負担する金額のことです。例えば事故によって12万円の修理費が必要になったとします。免責金額を5万円で設定していた場合、5万円は自己負担し、残りの7万円が保険金として支払われることになります。

免責金額の設定が高いと、保険会社の負担が減るので、その分保険料も安くなっていきます。「免責金額をいくらにすればいいのか」ということについては、実際の損害を想定しながら考えると設定しやすくなります。

例えば、飛び石でフロントガラスにヒビが入ることがあります。フロントガラス修理のために車両保険を使うと、翌年の保険料が上がります。フロントガラスのリペアなら修理費1万円程度ですから、車両保険を使わない(保険金をもらわない)方がトータルの出費が安くなったりします。

icon-arrow-circle-right 飛び石でフロントガラス修理【車両保険】小さな傷でも放置はダメ。リペアキットの使い方など


下記の金額を考慮した上で、免責金額を設定します。

  • 修理費はいくらなのか
  • 保険を使わない場合、翌年の保険料はいくらなのか
  • 保険を使うと翌年からの保険料はいくらになるのか

保険を使うことで翌年から1年間、保険料が2万円上がるとします。修理費1万5千円の場合、保険を使うと5千円のマイナスです。自腹で修理する方がいいということになります。

最終的には、自己負担額としてどの程度許容できるのかということになりますから、自分で修理代を払う余裕がある、貯金があるという人は、免責金額を高めに設定しておくこともできます。

車両保険の種類を考える

車両保険は大きく分けて2種類あります。一般タイプとエコノミータイプと言われるものがあり、補償の範囲が違います。

icon-arrow-circle-right 車両保険とは|エコノミー型や一般型など。車両保険の補償内容について

当て逃げや自損事故が補償の対象外となっているエコノミータイプを選ぶと、補償範囲が狭い分、保険料が1~3万円程度安くなります。

しかし、新車の場合は、全損した際にローンだけが残るということもありますから、一般タイプの車両保険に加入する方が無難です。補償の範囲やどういう事故がありうるのかを考えて、車両保険の種類を決めてみて下さい。

料率クラスが低い車を買う

自動車保険では、車の型式も保険料に大きく影響します。料率クラスが高い車は、保険料も高くなります。料率クラス1と9の保険料を比較すると、その差は約4倍です。

icon-arrow-circle-right 車両料率クラスとは?【自動車保険の保険料】車によってかなり違います

一般的に高級車や人気車種は、盗難が多かったりするので、車両保険の料率クラスが高いです。また、スポーツカーもスピードが出て事故を起こしやすいことから、傷害保険などの料率クラスが高くなっています。

今回の見積もり結果を見てみると、トヨタ プリウスの車両料率クラスは5で、日産 NOTEの車両料率クラスは3です。プリウスの車両料率クラスが高いのは、人気車種で盗難が多いということが関係しています。

料率クラスが低い車を買うというのも、保険料を安くする上でおすすめです。料率クラスが比較的低いコンパクトカーを購入したり、料率クラスがない軽自動車を購入することも検討してみて下さい。

軽自動車の年代別保険料(平均相場)については下記をご覧ください。

icon-arrow-circle-right 軽自動車の保険料【任意保険】平均相場はいくら?

料率クラスはインターネットで見積もりを取ると、見積もり結果に記載されていることがあります(例:そんぽ24など)。実際に見積もりを取って、参考にしてみるといいでしょう。

20歳以下なら、中古車を買って車両保険を付けないという選択も

20歳以下の場合、おすすめなのが中古車の購入です。

新車を購入すると車両保険を付けないというのはあまり考えられませんが、中古車であれば、車両保険を付けないという選択もあります。

車両保険の保険金額は、契約時の時価額相当で決まります。車の時価額というのは、年々下がっていくものです。車の価値は10年も経つとなくなるとされているので、10年を一つの区切りとして、車両保険に加入するしないを検討してみるといいでしょう。

中古車に車両保険を付ける場合は、車両保険の金額と修理費などで支払われる保険金がいくらになるのかを見ておく必要があります。保険の支払い負担が大きいだけになってしまうと、意味がありません。

相手の人や物に対する損害補償と比べると、車両保険は自分の車の損害を補償する保険ですから、考え方によっては、車両保険の重要度が低くなります。貯蓄が十分にあるので付けない人もいますし、中古車なので修理が必要になったら買い替えるという人もいます。車両保険の加入率も約40%程度と、対人賠償や対物賠償に比べて低くなっています。

icon-arrow-circle-right 【自動車保険の加入率】任意保険の都道府県別の加入率。未加入が多いのはどこ?


実際に事故に遭った場合、どこまで補償されると安心できるのかを考えて、車両保険を検討していくといいでしょう。年齢条件を20歳以下に設定して、いろいろと見積もりを取って、自動車保険料を比較検討してみて下さい。


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