搭乗者傷害保険(特約)で支払われる保険金や必要性などを解説
搭乗者傷害保険とは?
搭乗者傷害保険(特約)とは、契約車両に乗っている人が自動車事故で死傷した場合、実際の損害額に関係なく、あらかじめ決められた保険金が定額で支払われる保険です。
家族だけということはなく、搭乗しているすべての人(自分も含む)が補償の対象になります。
人身傷害補償保険とよく似ていますが、補償の対象や保険金の計算方法などで違いがあります。搭乗者傷害保険は、日数払いや部位別の定額で支払われます。実際の損害額を計算する必要がある人身傷害補償保険に比べて、事故後速やかに保険金を受け取ることができます。
搭乗者傷害保険は、当座の費用の支払いに充てることができる事故後の一時金としての意味合いが強いです。補償をより手厚くするために、人身傷害補償保険とダブルで加入する人が多いです。
保険の種類と支払い方法
搭乗者傷害保険で支払われる保険の種類としては、一般的に次のようになっています。
事故発生日から180日以内の治療において、傷害の部位や症状によって、あらかじめ定められた保険金が支払われます。
事故発生日から180日以内に後遺障害が生じた場合に支払われます。後遺障害等級に応じて、保険金額の4%から100%が、搭乗していた人1名ずつに対して支払われます。
事故発生日から180日以内に重度の後遺障害が生じたり、将来介護が必要な後遺障害が生じたりした場合など、一定の条件を満たした際に支払われます。医師の診断に基づいて認定が行われ支払われることになります。
事故発生日から180日以内に死亡した場合に支払われます。保険金額の全額が搭乗していた人1名ずつに対して支払われますが、後遺障害保険金がすでに支払われている場合は、後遺障害保険金を差し引いた残りの金額が支払われます。
保険金はいくらもらえるのか?アクサダイレクトの場合
搭乗者傷害保険では入院した際、医療保険金としていくらもらえるのかが気になるところです。
参考までに、アクサダイレクトの医療保険金支払いを見ると、
となっており、5日以上の場合は、部位や症状に応じて次のように定められています。
1、脳挫傷等の脳損傷、頭蓋内出血または頭蓋内血腫、頸髄損傷、脊髄損傷、胸部・腹部の臓器損傷の場合
医療保険金の額:100万円2、上肢・下肢の欠損または切断、眼球の内出血または血腫、眼の神経損傷、眼球の破裂の場合
医療保険金の額:50万円3、骨折・脱臼、脳・眼・頸髄・脊髄を除く部位の神経損傷、上肢・下肢の腱・筋・靭帯の断裂の場合
医療保険金の額:30万円4、上記以外の、打撲・挫傷・擦過傷・捻挫等の場合
医療保険金の額:10万円
搭乗者傷害保険のメリット
搭乗者傷害保険のメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
搭乗者傷害保険は、人身傷害補償保険と同じくノーカウント事故として扱われます。保険金を請求しても、翌年度の等級への影響はありません。
人身傷害補償保険金といっしょに搭乗者傷害保険金を受け取ることができます。人身傷害補償保険とセットで加入することで、当座の費用と実際の損害額に対しての十分な補償を受けることができます。
自分の運転ミスでガードレールに衝突するというような単独事故の場合でも、契約車両に乗っていた人が死傷した際には、保険金を受け取ることができます。
車外での事故はもちろん対象外ですが、乗車の際のケガは対象となります。
保険会社によってどのような扱いになるか違います。ドアに指を挟んでケガをした際には、一度確認してみるといいでしょう。
搭乗者傷害保険で保険金の支払いがされないケースとは?
搭乗者傷害保険で保険金が支払われないケースとしては次のものがあります。
- 無免許運転、酒気帯び運転、薬物使用時の運転
- 地震、津波、噴火によって生じた傷害
- 定員オーバーで乗っていた
- トラックの荷台に乗っていた
- 犯罪行為、自殺行為、暴走行為など
故意または重大な過失があった場合などは、搭乗者が死傷しても補償されません。
搭乗者傷害保険の必要性や人身傷害補償保険との違いについて
搭乗者傷害保険と人身傷害補償保険はどちらも、契約車両に乗っている人が死傷した際に保険金が支払われるというものですから、ほとんど変わりがないように思えます。しかし、すでにお話したように搭乗者傷害保険と人身傷害補償保険では、保険金の計算方法が違います。
この他に補償範囲も違います。人身傷害補償保険の方が補償範囲が広いです。ケガに対する補償として重複する部分もあるので、搭乗者傷害保険は必要ないと考える人もいます。
しかし、治療中に保険金をできるだけ早く受け取りたいということであれば、やはり搭乗者傷害保険の加入は必要と言えるでしょう。万一の場合、費用の心配をすることなく、すぐに保険金を受け取れるのは心強いです。加入しておく方が良さそうです。
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