自動車保険の使用目的|「業務用」「通勤通学」「日常レジャー」の違いを知る
自動車保険の見積もりの際、使用目的をどのように選んでいますか? 通勤通学で使っているのか、それとも日常レジャー目的で使っているのか。車の使い方によって、選択すべき項目が違ってきます。
使用目的で保険料にも違いが出てきます。なぜでしょうか?
車をどのように使っているかによって、事故を起こす確率や損害の大きさが違ってくるからです。それは過去の統計データから明らかにされています。リスク細分化型の自動車保険では、リスクの高い契約者には保険料をそれなりに負担してもらう仕組みになっています。
警視庁の統計を見ると若い人の事故率が高いことが分かります。事故リスクが高いとされる若い年代は、保険料もそれなりに高くなります(参照:20歳以下(10代)の自動車保険料が高い理由)。
実際の利用目的と異なった申告をしてしまった場合は、事故に合った際に保険金を支払ってもらえないこともあります。「使用目的はどの項目を選ぶのか」ということに注意したいものです。
自動車保険の使用目的は3種類。使用目的の規定内容の違い
一般的には、自動車保険の使用目的は、「業務用」「通勤通学」「日常レジャー」の3つに分かれています。
使用目的とは、車をどのような用途で使うことが多いのかということです。
目安としては年間を通して、週5日以上もしくは月15日以上、業務目的で使用する。
■通勤通学
目安としては年間を通して、週5日以上もしくは月15日以上、通勤通学で使用する。
■日常レジャー
目安としては主に買い物や週末のドライブなど、日常生活で使用する。
内容は保険会社によって若干の違いはあるものの、上記のように分類されています。
実際の車の使い方として、仕事や通勤通学で車は使わず、毎日買い物で車を使っているなら、日常レジャーとなります。傾向としては、日常レジャーを選択する人が一番多いです。
使用目的の考え方|通勤通学と日常レジャーの違い
業務用は自営業の方が車を使う場合など、わりと判断しやすいかと思います。しかし、通勤通学と日常レジャーの場合は、業務用のように簡単に判断できないときがあります。ときどき通勤通学のために車を使っていたりすると、使用目的はどちらを選べばいいのかと、迷ってしまいます。
まずは、日常レジャーに絞って考えてみることにしましょう。
- 業務用で使用しない
- 通勤通学で使用しない
この両方に該当する場合は、日常レジャーとなります。
では、下記のような場合はどうでしょうか?
- 雨が降った時だけ、子供を通学のため最寄駅まで乗せていく
- 夏休みのバイトのときだけ、車通勤をする
- 冬の寒い季節だけ、通勤に車を使う
これらも、『年間を通して、週5日以上もしくは月15日以上、通勤通学で使用する』ということではないので、日常レジャーで申告しても構わないでしょう。
しかし、下記の場合は違います。
- 夏休み以外は、毎日子供を最寄駅まで通学のために送迎している。
- 毎日、アルバイトに行くときに車を使っている。
- 通勤時間は5分程度と短いが、毎日マイカーで通勤をしている。
これらの場合は、『年間を通して、週5日以上もしくは月15日以上、通勤通学で使用する』ということになるので、通勤通学として申告する必要があります。
使用目的の基準は保険会社ごとに異なる
通勤もしくは通学のために最寄駅へ送迎しているという場合、保険会社によって扱いが異なります。「通勤通学」で申告する場合と「日常レジャー」で申告する場合があります。
また、使用目的の区分が、業務用と日常レジャーの2種類しかない自動車保険もあります。
使用目的の基準は保険会社ごとに違います。
年間を通して見たとき、通勤に車を使う頻度が微妙だったりと、通勤目的が適切かどうか自分で判断しかねる場合は、保険会社に確認するようにしましょう。日常レジャー目的でよいということになると、保険料が安くなります。
自動車保険の使用目的によって、保険料の安さに違いが出る
使用目的と保険料の安さは、次のように考えられています。
業務目的の場合、運転時間や走行距離が長く、事故リスクも高い。
よって、保険料が最も高い。
■通勤通学
業務で使用する場合に比べると、事故リスクは低い。
よって、保険料は業務用よりも安い。
■日常レジャー
業務や通勤通学目的と比較すると、運転の頻度や距離も少なくなるので、事故リスクが低い。
よって、保険料が最も安い。
すでに述べたように、使用目的とは、車をどのような用途で使うことが多いのかということです。使用目的によっては、走行距離が多くなったり、事故を起こす可能性が高くなったりと、事故リスク(危険度)が変動していきます。
例えば、頻繁に通勤通学で車を利用する人よりも、休日に遊びに行くときにしか車を使わない人の方が、車を運転する機会が少ないと言えます。事故を起こす可能性もその分低くなりますから、保険料も安くなっていきます。
では、具体的にどのくらい保険料に違いが出るのでしょうか。イーデザイン損保で実際に見積もりを取り、使用目的によって保険料の違いがどれだけ出るのかを比較してみました。
■見積もりの条件
対物賠償責任保険:無制限
人身傷害補償保険:3,000万円
車両保険:あり、230万円
年齢:31歳
免許の色:ブルー
走行距離:5,000㎞超 10,000㎞以下
等級:14
車両:トヨタプリウス ZVW50
主な使用地:東京
■業務用の場合の保険料
使用目的を業務用にして保険料を試算したところ、71,920円となりました。
■通勤通学の場合の保険料
使用目的を通勤通学にして保険料を試算したところ、63,570円となりました。
■日常レジャーの場合の保険料
使用目的を日常レジャーにして保険料を試算したところ、54,700円となりました。
上記は一例ですが、日常レジャー目的と比べると、通勤通学、業務用の順に、やはり保険料が高くなっています。車に乗る機会や距離が長くなることを考えると事故リスクが上がるので、その分保険料も上がるというわけです。
しかし、保険料が安くなるからと、安易に日常レジャー目的として申告するのはよくありません。使用目的の選択は正しく行うようにしましょう。使用の実態と異なる申告として扱われた場合は、通知義務違反となり、契約解除だけではなく、補償を受けられないこともあるからです。
契約途中で使用目的が変わったら、保険会社に連絡を
契約の途中で使用目的が変わるというのはよくある話です。その場合は、保険会社に速やかに連絡をして、対応してもらうようにしましょう。
「今まで通勤で車を使用していた。しかし勤務先が変わったので、今は通勤で車を使用していない」といった場合などは、使用目的の変更が可能です。
補償をしっかりと受けるためにも、保険会社への連絡は忘れずに行っておくようにしましょう。
また、使用目的だけではなく年代による保険料の違いや平均相場が気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
自動車保険の保険料【平均相場が知りたい】20歳以下・20代・30代・40代・50代など年代別相場のまとめ
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